ソプラノ チョン ウォルソン(田月仙)
東京出身のソプラノ歌手、チョン・ウォルソン(東京二期会)は、若くして彗星のごとく日本の楽壇に登場。その輝きは時を経てさらにパワーアップし、華麗なるパフォーマンスが本場ヨーロッパでもスタンディングオベーションを受けるなど高く評価されてきた。一作年から連続で演じたオペラ「道化師」ネッダ役、「トスカ」、「カルメン」の表題役で、その圧倒的な舞台姿が絶賛を博したのは記憶に新しい。
一方で、祖国・朝鮮半島で"初の南北両公演"を実現し、韓国ソウルでは戦後初めて公式に日本の歌を披露、日韓朝の首脳の前で独唱した唯一無二の歌姫としても知られている。日韓両国でオペラ「春香伝」の春香役を演じ、自ら創作したオペラ「ザ・ラストクィーン-朝鮮王朝最後の皇太子妃-」(芸術祭参加)は、現在までロングラン続けている。また、海を隔てたふたつのふるさとに刻まれた家族史を元に「海峡のアリア」(小学館ノンフィクション賞受賞)等を出版、作家としても活動している。NHK「海峡を越えた歌姫」、韓国KBSスペシャル「海峡のアリア」などの特集番組も放映された。http://wolson.com
今回の公演「あの海を越えて」では、デビュー当時から世界各国で歌い続けてきた珠玉のコリア歌曲や、オペラ「ザ・ラストクィーン」の名場面など田月仙ならではの演目が披露される。また豪華ゲストを迎え、日本を舞台にしたイタリアオペラの傑作「蝶々夫人」がどのように演じられるのかも見逃せない。この舞台には、蝶々さんのように毎日のように海を眺めながら、愛する家族との再会を待ち続けた名もなき無数の魂への祈りが込められている…。 |