日韓国交正常化50周年記念オペラで李方子妃を演じる声楽家
田月仙(チョン・ウォルソン)さん

 日韓国交正常化50周年を記念して、新国立劇場(東京都渋谷区)で9月27日に上演される創作オペラ「ザ・ラストクイーン」の企画、台本、主演を務める。
 オペラは、日本の皇族、梨本宮家から朝鮮王朝最後の皇太子の元に嫁ぎ、戦後は韓国人として韓国の福祉活動に尽くした李方子(まさこ)さんをモデルにした。10年ほど前から温めてきた企画だ。(中略)
 2002年、日韓共催のワールドカップ(W杯)閉会式翌日、小泉純一郎首相主催で、韓国の金大中(キム・デジュン)大統領歓迎公演が首相官邸で開かれた。その舞台で日本の唱歌「故郷」と「アリラン」を披露した。
 「日本の歌と韓国の歌を、自分自身のふるさとの歌、2つの祖国の歌として歌える自分を再確認できた」という。在日コリアンとして生きる自身と、「同じように2つの国を祖国とし、日韓の和を求め生涯を貫いた方子妃の姿が重なり、オペラ制作にたどり着いた」。方子さんの実像に迫るため、韓国にも足を運び、ゆかりの人から話を聞き、台本に反映させた。
 「方子妃は本当に芯の強い人。夫である殿下が亡くなった後も韓国にとどまり、最後は『韓国のオモニ(母)』と呼ばれるまでになった。方子妃の心の軌跡を舞台で表現したい」(水沼啓子)

Chon Wolson officilal Website www.wolson.com