韓日の歌曲が一つの舞台に

  今月11日午後5時から東京新国立劇場で開かれる『海を越えて(Crossing the Sea)』コンサートで韓日両国の歌曲が同じ舞台に上がる。

 この日の舞台には韓国からテノール歌手の朴世源(パク・セウォン/ソウル大教授)、指揮者の金徳基(キム・ギドク/ソウル大教授)、ソプラノ歌手の田月仙(チョン・ウォルソン/在日同胞)の各氏、日本からは声楽家の大久保真、釜洞祐子、指揮者の栗田博文氏らが参加し、東京メトロポリタンオーケストラによる伴奏で自国の歌曲を披露する。

  東京メトロポリタンオーケストラは指揮者の鄭明勳(チョン・ミョンフン)氏が音楽顧問を務める交響楽団で、この日は金徳基氏と日本人指揮者の栗田博文氏が交互に指揮を行う。

 「韓国と日本両国のオペラ交流は活発でしたが、歌曲だけの公演は今まであまりありませんでした。ワールドカップと韓日国民交流の年を迎えて実現した今回の舞台は、芸術歌曲を通じて両国の情緒の共通点と差を表現するという点で意味深いです」 

 日本行きを控えた朴世源氏は「今回、NHKが音楽会の模様を放送するなど両国の歌曲交流に対する関心が日本国内で熱い」と語った。この日、韓国の声楽家らは『アリラン』、『トラジ(桔梗)』『カゴパ』『なつかしき金鋼(クムガム)山』『先駆者』『船歌』『臨津江』、日本の声楽家らは歌曲『初恋』『荒城の月』などを披露する。韓国の歌曲は敍情詩や、美しい歌詞に曲を付けた歌が多いが、日本の歌曲はどうだろうか? 

 「日本の歌曲も待ちわびたり恋しさなど、自然の詩情を扱った曲が多いです。韓国の歌曲に民謡スタイルの曲が多いように、日本の歌曲にも特有の歌唱の雰囲気を持った曲が多いです」

  金徳基氏は「初期、韓国の歌曲の作曲家たちの大部分が日本で勉強したのも両国の歌曲の雰囲気が似ている一つの理由」と付け加えた。 

 朴世源氏は韓国の代表的テノール歌手だ。オペラ『トスカ』のカバラドオーシ、『カルメン』のドン・ホセ役など、彼オリジナルのキャラクターで評価を受けた。ソウル大オペラ研究所を率いて、教え子らと全国各地を回るオペラ公演をはじめて今年で6年目を迎えた。金海(キムヘ)、太白(テベク)、寧越(ヨンウォル)などの各地で、52回に渡ってオペラ公演を行っている。

2002.05.08 朝鮮日報