在日オペラ歌手、日本人歌手と日朝韓音楽祭

 

 在日韓国人オペラ歌手の田月仙(チョンウォルソン)さん=写真=らが21日夜、東京・お茶の水のカザルスホールで「日本・コリア音楽祭2001」を開く。田さんが先輩日本人歌手に朝鮮語を教え、3人で「アリラン」「イムジン江」「夜明けの歌」などの日朝韓の歌曲二十数曲をそれぞれの言語で歌い上げる。

 田さんは、東京の朝鮮学校と桐朋学園短大を卒業し、80年代には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の音楽祭に招かれて歌い、90年代には韓国に招かれてオペラを演じた。「北も南も同じ祖国」と、コンサートで必ず南北両方の歌を入れる。

 特訓した朝鮮語で一緒に歌うのはテノールの五十嵐修さんとバリトンの大久保真さん。

「クラシックの一流の声楽家が朝鮮語を勉強して歌ってくれるなんて、十年前なら想像もできなかった。日韓の距離は観光やサッカーW杯共催などで確実に近づきつつある」と田さんは喜ぶ。

 

朝日新聞社