「夜明けの歌」 公演許可出ず ソウル市当局

 東京とソウルの友好姉妹都市十周年を記念し“親善大使”として訪韓した在日韓国人のオペラ歌手、田月仙さんは二十三日、ソウルで記者会見し、二十五日行われる「ソウル祭り」(ソウル市主催)の野外コンサートで予定していた日本歌謡「夜明けの歌」について、ソウル市当局から依然、公演許可は出ていないと話した。

 田さんは二十四日、青島幸男知事からの親書を高建ソウル市長に伝達する際、あらためてソウル市側に許可を求めたいとしているものの、韓国政府当局(文化観光省)は「夜明けの歌」はまだ開放の対象になっていない日本語の大衆歌謡として不許可の方針といわれ、友好・親善とは裏腹に相変わらず不自由な公演になりそうだ。

 田さんによると、コンサートでは韓国語の歌曲二曲のほか、日本の童謡「浜千鳥」「赤とんぼ」と「夜明けの歌」を予定しているが、童謡については日本語でも問題になっていない。「夜明けの歌」は故岸洋子さんが歌ったシャンソン風の歌で、田さんは「親善使節に最もふさわしい歌と思って選曲したのですが」と残念がっている。