クラッシックの歌姫 ライブハウスに挑戦 

昨今元気なのは女性だけ・・・とはよく言われることだけれど、いかにもハツラツとしたこの方は、声楽家の田月仙さんである。「天使のソプラノ」「水仙の花が咲いたようなスター性」と評されて国際的に活躍する彼女は、あえてソプラノの音域を捨てて、7月23月、東京・渋谷の「ジァンジアン」でライブに挑戦する。

主催するサノ・アジアンプロデュースの代表、佐野良−さんの、「リリックソングで彼女の裏地のコケティッシュな面を引き出したい」

 という、ラブコールに、

「大ホールと達ってジァンジアンの小空間は、息づかいまでお客さんに聞こえそうで、楽しみと緊張の最中です」とやる気満々である。

 1985年、平壌で開かれた音楽祭に招待され、94年にはソウルで「カルメン」の主役。38度線の両側(南北朝鮮)で舞台に立った数少ないアーティストは、自分自身を「在日コリアン」と表現する(そういえば、それを表す適切な日本語もない)。97年の文化庁芸術祭に、外国簿の音楽家として初めて参加、絶賛された。

「素人の民衆から得るものもあるのよね」

 と言いながら、東京・恵比寿で「東京セ・バラム(新しい風)合唱団」の指導を3年間休まず続けている-とい・つのは彼女のもうひとつの顔。国籍や思想倍条にこだわらない方針で、ロコミで日本人も参加している。

 今年5月、同じジアンジァンのライブで美輪明宏さんに魅了されたという。「日本語で歌う素晴らしいシャンソンに初めて出会いました」

 と話す彼女にその影響が出ないはず

はない。久々に素晴らしい音楽が誕生する瞬間に立ち会えそうだ。