オペラ歌手の田月仙さん 「祖国」朝鮮半島統一願い熱唱

   「南であれ北であれ、いずこに住もうと皆同じ。愛する兄弟ではないか」。在日コリアン二世のオペラ歌手、田月仙(チョン・ウォルソン)さん=写真=が、「祖国」朝鮮半島への思いを込めて歌う「高麗山河わが愛」が、静かな反響を呼んでいる。

 今年7月、TBSテレビの「筑紫哲也ニュース23」で、田さんの活動が紹介され、この曲が流れた。在日韓国・朝鮮人のお年寄りや、日本人の若者から「もう一度、聞きたい」という要望が相次ぎ、CDをつくった。

 「高麗山河」を作詞作曲したのは、ワシントン在住の韓国人歯科医、盧光郁さん。今年4月、米国公演で自宅を訪ねた。朝鮮戦争のころ、米国に留学した盧さんが、はるかな祖国を思い、10年ほど前に作ったことを知った。

 「南北の分断が、日本にいる私たちにまで影響を及ぼしてきた。統一と言えば、いつもイデオロギーがからみ、市民はないがしろにされた。この歌は、そんな私たちの統一を願う気持ちにぴったりです」